頭頸部外科
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原著
当科で経験した食道異物の臨床的検討
阿久津 誠後藤 一貴柏木 隆志今野 渉中島 逸男深美 悟平林 秀樹春名 眞一
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2019 年 29 巻 1 号 p. 41-46

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抄録

食道異物は摘出が容易な症例や自然排泄が期待できる症例が多いが,時として消化管穿孔や皮下・縦隔気腫などの合併症を引き起こす事がある。今回われわれは過去11年間で経験した,食道異物の症例を若干の文献的考察を加え報告する。
症例は全98例,10代と60〜70代の二峰性分布を認めた。種類別ではPTPが最多であった。30例が入院加療を要したが軽快退院していた。
一般的な耳鼻咽喉科診察では食道内の異物を見落としてしまう恐れがあり,上部消化管内視鏡検査や頸部CT検査は重要である。また鋭的異物の誤飲を積極的に疑う場合,後に下部消化管穿孔や穿通をきたす恐れがあるため他科との連携を図り,下部消化管精査も検討すべきである。

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© 2019 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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