頭頸部外科
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症例
神経線維腫症1型に発症した頸部交感神経由来の悪性末梢神経鞘腫瘍の1例
山本 高也鈴木 健介森田 瑞樹川崎 博人阪上 智史八木 正夫野田 百合岩井 大
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2023 年 33 巻 2 号 p. 243-248

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抄録

神経線維腫症1型(NF-1)は常染色体優性の遺伝性疾患であり,約3-5%に悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)を発症する。今回,われわれはNF-1に合併したMPNSTの1例を経験したので報告する。症例は26歳男性。右頸部腫脹を主訴に当科を受診し,カフェ・オ・レ斑と家族歴からNF-1に伴う神経線維腫を疑ったが,急速な増大と疼痛を認め摘出術を行った。永久病理でMPNSTと診断され,また神経断端に腫瘍が近接していたため術後放射線療法を施行した。MPNSTは局所再発や遠隔転移の頻度が高く予後不良の疾患である。切除には神経脱落症状のリスクを伴うが,本疾患においては早期診断と治療が重要であり積極的に手術を行う必要がある。

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