頭頸部外科
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症例
顔面神経の温存が困難であった耳下腺ワルチン腫瘍例
木下 一太河田 了西村 尋眸嶋田 恵里安井 寛
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2025 年 35 巻 1 号 p. 51-56

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抄録
ワルチン腫瘍は良性耳下腺腫瘍であり,摘出術では顔面神経を温存することが基本である。今回,顔面神経が腫瘍に著しく癒着し,術中所見で悪性腫瘍を疑ったワルチン腫瘍症例を経験した。症例は40歳女性,8年前から耳下部腫瘤を自覚していた。臨床症状や画像診断では悪性を示唆する所見はなかった。術中所見にて顔面神経下顎縁枝が腫瘍に巻き込まれており温存困難で合併切除した。永久病理でワルチン腫瘍と診断された。病理組織では腫瘍周囲は炎症を伴う瘢痕組織を呈しており,神経は瘢痕内を走行していた。ワルチン腫瘍は他の組織型と比較して炎症を伴う頻度が高く,そのような症例では神経温存が困難になる可能性も念頭におく必要がある。
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