頭頸部外科
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慢性中耳炎の術後感染症
―1994年前半期の全国集計による検討―
新川 敦犬山 征夫今野 昭義小田 恂小松 崎篤森山 寛馬場 駿吉村上 泰山下 敏夫小宮山 荘太郎坂井 真三宅 浩郷
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1995 年 5 巻 1 号 p. 3-9

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抄録
 全国10大学における慢性中耳炎の手術に続発する術後感染症の調査を行った。症例は平成6年前半の6ヵ月で258例の手術症例が集積され,術前の感染症(耳漏)は13.1%に認められ,術後感染症は6例2.3%に認められた。この数は従来からの報告と比較し,非常に少ないと考えられた。術後感染症がおこる頻度は,術前からの耳漏があるもので高く,手術術式が難易な,中耳炎病態の高度のものほど高いことが示唆された。これらの結果を踏まえて,術後感染症を減少させるには,緑膿菌とブドウ球菌を主たる起炎菌とする耳漏に対してニューキノロン剤を中心とした抗菌剤により術前から制御するとともに,術前から検出された菌の感受性を念頭において術後管理を行うことが大切であると結論した。
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© 日本頭頸部外科学会
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