園芸学会雑誌
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原著論文
アーバスキュラー菌根菌およびバヒアグラス間作が非菌根性植物であるダイコンの成長および根の抗酸化酵素活性に及ぼす影響
松村 篤堀井 幸江石井 孝昭
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2007 年 76 巻 3 号 p. 224-229

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抄録

アーバスキュラー菌根 (AM) 菌が菌根性植物の抗酸化酵素活性に及ぼす影響を調査する研究は広く行われ,AM 菌が根に感染すると宿主植物の抗酸化酵素活性(スーパーオキシドジスムターゼ (SOD) 活性およびカタラーゼ (CAT) 活性)が高まり,耐乾性や耐病性が増すことが報告されている.一方,AM 菌が非菌根性植物の抗酸化酵素活性に及ぼす影響を検討することは殆ど行われていない.そこで,本研究では非菌根性植物ダイコンの栽培中に菌根性植物バヒアグラスを間作することによって,AM 菌がダイコンの成長および抗酸化酵素活性に及ぼす影響について調査した.ダイコンの生育は AM 菌のみを接種した区では対照区と差がみられなかったが,バヒアグラスを間作した AM 菌のみを接種した区では有意に低下した.根内部への AM 菌菌糸の侵入はバヒアグラスを間作したときにだけ観察され,根周辺に多数の菌糸あるいは胞子がみられたが,根内に樹枝状体は形成されていなかった.AM 菌が根内に侵入したとき,ダイコン根組織内のタンパク質含量は増加したが,SOD 活性および CAT 活性は低下する傾向がみられた.これらの結果より,AM 菌の増殖を著しく促進するバヒアグラス間作で助長される菌糸の非菌根性植物への強制的侵入は植物体の成長を抑制することが示唆された.

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© 2007 園芸学会
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