抄録
日長処理と植物成長調整物質処理されたジネンジョ (Dioscorea japonica) の主枝,むかご,新芋および花穂の発育に及ぼす種芋重の影響について検討した.同じ植物成長調整物質処理と種芋重で比較した場合,主枝の長さは全生育期間を通して,8 時間日長区より 24 時間日長区で長かった.さらに,同じ日長時間と種芋重で比較した場合,主枝の長さは,8 時間日長下の種芋重 25 g から育てられた個体(以下,種芋重 25 g の個体と略記)を除いて,ウニコナゾール-P 処理区より対照区とジベレリン処理区で長かった.これらの傾向は,種芋重 25 g の個体より,種芋重 50 g の個体で大きかった.種芋重 25 g の個体では,最終の新芋重およびむかごと新芋を加えた合計重は 8 時間日長区より,24 時間日長区で逆転して大きくなったが,種芋重 50 g の個体では,最終掘り取り時でも,24 時間日長区より 8 時間日長区の方が大きいままであった.これは種芋重 50 g の個体より,種芋重 25 g の個体でむかごと新芋の発育開始時期が早いためである.その結果,種芋重 25 g の個体では,24 時間日長下でもジベレリン処理によって,新芋重がやや増加した.8 時間日長下の種芋重 25 g と 50 g の個体では,花穂の発育時期のピークが,6~7 月の 1 回しか認められないのに対して,24 時間日長下の種芋重 25 g と 50 g の個体では,6~7 月と 9~10 月と 2 回の花穂の発育時期のピークが認められた.6~7 月の 1 回目の花穂の発育時期のピークの場合,1 個体当たりの花穂数は,8 時間日長より 24 時間日長で多く,8 時間日長下では,ジベレリン処理で抑制された.これらの傾向は,種芋重 50 g の個体方が大きかった.