Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
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原著論文
CiFT遺伝子を導入したセイヨウナシの早期開花性
松田 成美池田 和生黒坂 美穂高品 善五十鈴川 寛司遠藤 朋子大村 三男
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2009 年 78 巻 4 号 p. 410-416

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抄録
セイヨウナシ(Pyrus communis L.)‘ラ・フランス’および‘バラード’へアグロバクテリウム法によりカンキツ由来 FTCiFT)遺伝子を導入した.得られた形質転換体‘ラ・フランス’8 系統,‘バラード’7 系統の導入遺伝子のコピー数は 1~4 コピーであった.そのうち‘ラ・フランス’7 系統,‘バラード’5 系統が in vitro で早期開花性を示した.また形質転換体の CiFT の発現と in vitro における花芽分化率には非常に高い相関がみられた.形質転換体の花器官は雌ずい,雄ずい,花弁,がくの数などにおいて形態的に野生型と異なっていた.得られた形質転換体のうち 2 番目に導入遺伝子の発現が高い系統 No. 6 の花粉をセイヨウナシ‘バートレット’に交配した結果,7 系統の F1 後代に CiFT 遺伝子が遺伝した.これらの F1 後代のうち 5 系統が播種後 10 か月以内に開花を示した.以上の結果よりカンキツ由来の CiFT 遺伝子をセイヨウナシに導入することで早期開花を誘導し,その早期開花性は後代へ遺伝することが明らかとなった.
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© 2009 園芸学会
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