園芸学会雑誌
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開花期に於ける晩霜による作物の被害に就て
萩屋 薫
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17 巻 (1948) 1-2 号 p. 115-120

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抄録

1. 本年4月23日に於ける福岡縣蔬菜採種地の晩霜による被害を調査し大要次の結果を觀察する事が出來た。
2. 23日頃の氣温は最低-(0.6)°Cにして寒波の來襲は突然で, 晝間の温度はむしろ高く無風晴天で凍害の起る條件がそろつて居たと言ふ事が出來る。
3. 被害作物は開花期にあつた大根, 甘藍, 小麥, 葱, 蠶豆等に見受けられ結實がさまたげられた。當日開花期にあつたものは作物の種類, 品種を問はず被害を受け, 十字科作物では「莢切れ」としてあらわれ, 被害部位は開花期により左右せられ,「莢切れ」部は開花期が早いものは梢頭部に近く, 開花期の遲きものは基部に近くあらわれた。
4. 肥培管理よく開花期遲延し當日丁度開花最盛期にあつたものは被害多く, 之に反し肥屠管理惡く開花が早かつたものは當日既に大部分の花器が開花が終つてゐた爲被害が少かつた。開花期が同一なる場合は多施肥區が普通施肥のものより被害が少かつた。
5. 被害は地理的條件に左右される事大にして, 河川に近き地域は被害少く之より遠ざかるにつれ大となつてゐた。
6. 被害個體で結實した部分の種實充實は良好で無被害のものより種子も重大であつた。

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