園芸学会雑誌
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アボカド品種の開花型, とくに開花時の気温が開花習性に及ぼす影響
井上 弘明高橋 文次郎
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1990 年 58 巻 4 号 p. 927-934

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抄録

1. 静岡県沼津市西浦久連の山田寿太郎氏園に栽植の‘Mexicola’, ‘Zutano’, ‘Jalna-J’, ‘Fuerte’ を用い, 花の形態的観察, 開花型, 開花時の温度が開花習性に及ぼす影響について調査した.
2. 走査型電子顕微鏡による雌雄異熟現象の観察を行った結果, 両性花の雌ずい及び雄ずいの活動時における花器の開花機構が明らかとなった.
3. 開花型は, ‘Mexicola’ がA群に属し, ‘Zutano’, ‘Fuerte’ はB群に属し, 既報の研究結果と一致していた. しかし, 我が国へ導入されていた ‘Jalna’ はA群とされてきたが, 本調査の結果から異品種であることが明らかとなり, それはB群に分類され, ‘Jalna-J’ と仮称した.
4. 開花時の気温が比較的高い15~25°Cの条件下では, 各品種とも雌ずいと雄ずいの活動が正常に行われ,雌ずいとしての開花比率が高く, 一花の寿命は短かくなった. また, 雌•雄ずいの活動交叉時間は短かった.
5. 開花時の気温が比較的低い15°C以下の条件下では, 雌ずいの開花比率が低く, 雌ずいの活動が低下したり, 活動開始が遅れたり, あるいは開花時間の延長がみられ, 一花の寿命も長くなった. さらに, 7°C以下では雄ずいの開やくはみられなかった.
6. 開花順序は, 最初に雌ずいとして開花した花は,翌日に大部分が雄ずいとして開花するが, 同時間に雄ずいとして活動する花は前日及び前々日に開花すべき花が含まれ, 低温条件になるほど, これらの開花時間は長くなった.
7. 開花時の気温は, 4月中旬より5月中•下旬の方がアボカドの開花の好適気温であった.

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