園芸学会雑誌
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ミョウガ (Zingiber mioga Roscoe) の結実に及ぼす受粉時季と相対湿度の影響および自殖後代における染色体数の変異
安谷屋 信一
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1991 年 60 巻 2 号 p. 361-367

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抄録

ミョウガ (2n=55) は結実のまれな栄養繁殖性作物である. 本研究では, 本種の交雑育種を促進する目的で,結実に及ぼす受粉時季および相対湿度の影響を16時間日長条件下で検討した.
1987年春季には, 交配した190小花のうち, 4子房に5粒の種子を得たのみであった. 一方, 1988年冬季の交配では, 184小花に受粉し, 26子房から84粒の種子が得られた. さらに1989年の春季には自然湿度区およひ加湿区を設け, 結実に及ぼす相対湿度の影響を調査した. 自然湿度区においては, 45小花に受粉したが,種子は得られなかった. しかし, 加湿区においては,121小花に受粉し, 23子房から73粒の種子が得られた.1988年および1989年にそれぞれ得た73および69粒の種子から摘出した胚を, ショ糖30g/1iterを含むMS培地上で培養し, 106の植物体を育成した. これらの自殖1代植物のうち, 67個体の染色体数は2n=46から2n=60の範囲に分布した. さらにこれらの自殖1代植物には著しい形態的変異が観察された.

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