二倍体白花シクラメン品種の内婚系統からみつかった黄花シクラメンについて, 花弁の黄色発現に最も関与していると思われる主要色素を単離精製し, 薄層クロマトグラフィー, 高速液体クロマトグラフィーおよびスペクトル特性の諸点から検討した結果, カルコノナリンゲニン-2'-グルコシド (イソサリプルポシド) と同定した.
本植物はCallistephus chinensisにおいて見出されたカルコン-フラバノンイソメラーゼをもたない変異体と同様, 劣性突然変異体と思われた. さらに本色素を蓄積することで濃黄色シクラメン品種作出の可能性に関して考察した.