61 巻 (1992-1993) 3 号 p. 675-684
極早生ウンシュウの果汁原料としての加工適性を検討するため, 主要系統の慣行的な収穫期における原料果実の, リモノイド成分を中心とした品質特性の分析を行った.
JAS規格成分である, 可溶性固形物や酸含量, アミノ態窒素および灰分では, 供試したほぼ全系統において基準をみたす値を示しており, 品質成分的な面からみた場合において, 極早生ウンシュウの果汁加工原料としての適性は十分にあると考えられた.
しかし, 慣行的な収穫期における極早生ウンシュウのリモノイド含量は, 早生ウンシュウや普通ウンシュウに比べてかなり高い値を示す系統が多く, 加工原料として使用した場合には, 果汁に苦味を生じるおそれが多いことが示唆された. この問題点を解決するためには, 収穫時期を検討し, 熟度をできるだけ進めた完熟果を収穫して搾汁することなど, 苦味を低減するための対策をとることが必要であると考えられる.
また, 通常の減酸による分類と, リモノイド含量から推測される熟期が一致していないと考えられる系統も認められた.
謝辞本研究の遂行に当たり, 分析手法に関するご指示をいただいた元果樹試験場興津支場加工適性研究室長荒木忠治氏, 供試果実を提供していただいた育種第一研究室根角博久氏, 現口之津支場育種研究室長山田彬雄氏に, また分析に協力して下さった果樹試験場興津支場深沢美代子氏, 日本缶詰検査協会東海検査所の土屋充子氏に深く感謝の意を表します.