園芸学会雑誌
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ブドウ無核品種の無核果形成に関する組織形態学的研究
王 近衛堀内 昭作松井 弘之
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62 巻 (1993-1994) 1 号 p. 1-7

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抄録

ブドウの無核果形成機構を明らかにするため, 無核種の'モヌッカ'および'無核白'と有核品種の'キャンベル•アーリー'とを組織学的に比較検討した.
寒天培地上での花粉の発芽率は, 'モヌッカ', '無核白'および'キャンベル•アーリー'で, それぞれ41.6,31.3および22.2%であった.
'キャンベル•アーリー'の柱頭に無核品種の花粉を受粉したときの着果率は'モヌッカ'で61.1%, '無核白'で38.3%であり, その内の有核果率は'モヌッカ'で98,1%, '無核白'で74.5%であった.
開花期において異常な外•内種皮, 無胚のう, 不完全あるいは退化卵は有核品種に比べて無核品種に多く認められた.
開花15日目において, 胚乳核が分裂を開始した胚珠の率は'キャンベル•アーリー'で95.9%, 'モヌッガで47.6%, 無核白'で20.3%であった.
無核品種の受精胚のいくつかは, 細胞分裂を開始し,無核白'では球状胚の時期に, 'モヌッカ'では心臓型胚の時期にそれぞれ停止した.
ブドウ無核品種の無核果形成は, 開花期における胚珠と胚のうの退化による未受精と胚乳核の退化による受精卵退化と胚形成の停止によって起こるものと推定された.

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