園芸学会雑誌
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ダイコンの赤心症発生に及ぼすホウ素およびリン酸施用の影響
川合 貴雄飛川 光治藤沢 敏寛小野 芳郎石橋 英二
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62 巻 (1993-1994) 1 号 p. 165-172

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抄録

夏播きダイコンの赤心症発生に対するホウ砂および過リン酸石灰の抑制効果について土壌の種類別に検討した.さらに,それらの効果を水耕法によって検証するとともに肥大根のPP含量とPPO活性について調査した.
1.褐色低地土(砂土)および中粗粒黄色土(砂壌土)では,ホウ砂施用によって赤心症の発生株率が低下し,肥大根のホウ素含有率が高まった.しかし,黒ボク土では,ホウ砂を施用しても赤心症の発生は防止できず,肥大根のホウ素含有率も高まらなかった.ところが,過リン酸石灰の施用は黒ボク土においてさえ赤心症の発生を抑制し,肥大根中のリン含有率も高まった.
2.水耕における肥大根の内部褐変は,ホウ素欠除によって発生し,その障害程度は低液温(11。~21°C)区よりも高液温(28°~29°C)区で著しかった.しかし,肥大根のホウ素含有率は低液温区よりも高液温区の方が高く,肥大根の内部褐変は,ホウ素含有率の高低だけでは説明できないことが示唆された.
3.水耕でホウ素を欠除させると肥大根のPPO活性は高まったが,PP含量は増加しなかった.また,ホウ素供給下でリン酸を欠除させても内部褐変はみられなかったが,ホウ素欠除下でリン酸濃度を高めると肥大根のPPO活性が低下し,内部褐変の障害程度も減少した.このことから赤心症の発生はPP含量の増加よりも,むしろPPO活性の増大に起因しているものと考えられる.

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