人工培地上でイチジクの花粉を発芽させるため, 雌花の柱頭分泌液の添加効果について検討した.
10%ショ糖を添加した寒天培地に'桝井ドーフィンの雌花を置床し (2~3本/cm2), 5°~15°Cで3時間拡散させた後, カプリ系'VC-180'の花粉を置床して,25°~30°Cで7時間程度培養したところ, 70%以上の高い発芽率を示し, 花粉管伸長も順調であった.
この場合, 桝井ドーフィンの雌花としては, 横径20~32mmの秋果から採取したものが最適であった.また, 'VC-180'の夏果の熟度がかなり異なっていても, 花粉の発芽率には全く差がみられなかった.