64 巻 (1995-1996) 2 号 p. 243-249
ニホンナシ'豊水'のみつ症発生に及ぼす果実生長初期の高温とジベレリンの影響を検討した.
1. '豊水'の樹体や果実を,満開後30日ごろまでの果実生長初期にビニールで被覆した結果0果実が大きくなり,比重が低下してみつ症発生が多くなった.特に果実のみを被覆した場合にみつ症の発生が多かった.
2. 満開後30日にジベレリンペーストを果実の果梗に塗布処理すると,果実が大きくなり,比重および硬度が低下し,みつ症が多く発生した.特に,ビニール被覆栽培した場合にこの傾向はより顕著であった.
3. ジベレリン生合成阻害剤であるパクロブトラゾール(PP-333)を満開後30日果実に散布処理すると,著しくみつ症の発生が抑制された.
4. これらの結果から,みつ症発生は初夏に生じる低温だけではなく,果実生長初期の高温やジベレリン処理と密接な関係にあると考えられた.