園芸学会雑誌
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アルストロメリアの気温および地温に対する開花反応
土井 元章陳 忠英辻 雅之今西 英雄
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1998 年 67 巻 6 号 p. 965-969

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抄録
アルストロメリアの地中冷却による切り花生産を行うに当たって,気温および地温に対する開花反応を'レジナ','カルメン'('カナ'),'ウイルヘルミナ'を用いて調べた.1.開花シュートの発生に必要な低温要求量は,'ウイルヘルミナ'では2℃,3~6週間,'カルメン'では6週間であったが,'レジナ'では10週間以上であった.2.'レジナ'では,25℃,18℃いずれの温度下でも開花シュートがやがて発生しなくなったが,地温を14℃に冷却すると気温に関係なく開花が継続した.3.'レジナ'の地下茎では,地温の1日当たりの15℃以下経過時間数が6時間であっても開花シュートの発生が継続した.しかし,発生した栄養シュート数は連続して低温を与えた地下茎に比べて増加した.4.低温に遭遇している殊に28/22℃(昼温12時間/夜温12時間)の高温を与えた場合,'レジナ'では4週間,'カルメン'では10週間の高温処理により開花が中断された.
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