園芸学会雑誌
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モモ'白鳳'の樹体生長と果実品質に及ぼす施肥濃度の影響
賈 惠娟平野 健岡本 五郎
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1999 年 68 巻 3 号 p. 487-493

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抄録

モモ'白鳳'に対する施肥濃度が樹体生長と果実品質に及ぼす影響を調査した.施肥には大塚ハウス液肥を用い, 発芽期から硬核終了期まで窒素160ppm(H), 80ppm(M), 40ppm(L)となるように調整したものを週2回与え, その後は液肥濃度をそれぞれ半分の濃度にした.新梢の生長は, 硬核期まではH区で優れたが, その後はM区で最も旺盛となった.新根の合計長はM区で最も長く, 続いてH区, L区の順であった.葉のクロロフィルと窒素含量は施肥濃度の高い区ほど高かったが, 光合成速度は高濃度区の方が低かった.収穫果実のTSSとシュクロース含量はM区で高く, H区で最も低かった.滴定酸, リンゴ酸, クエン酸, アミノ酸含量はH区で最も高かった.果皮の着色はH区で劣った.モモ果実の主要な香気成分であるγ-decalactoneはM区で最も高く, H区で低かった.食味試験の結果, M区の果実が最も優れ, H区で劣った.以上のように, モモ樹に対する過剰な施肥は, 甘味が薄く, 酸味が強いためだけでなく, 香りも乏しいために, 果実の食味を低下させる.

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