園芸学会雑誌
Online ISSN : 1880-358X
Print ISSN : 0013-7626
ウンシュウミカン果皮 (Citrus unshiu Marc.) におけるエチレン誘導可溶性クロロフィラーゼ
東 理恵足立 勝下川 敬之
著者情報
ジャーナル フリー

68 巻 (1999) 4 号 p. 883-889

詳細
PDFをダウンロード (841K) 発行機関連絡先
抄録

ウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.'日南1号')果実におけるエチレン誘導脱緑機構を明らかにするため, エチレン処理された果実の果皮より可溶性(水溶性)クロロフィラーゼを調製した.本研究では, その酵素について, 次のことを明らかにした.この酵素反応には1) 30℃の時, クロロフィルaからクロロフィリドaへの変換率がアセトン濃度30∿40%で最大であること, 2) 基質とタンパク質の至適濃度はそれぞれ12.4 μMと2.6 mg/4.5 mlであること, 3) 至適pHはほぼ7.6であること, 4) Km値がほぼ6.5 μMであること.可溶性粗酵素によるクロロフィル分解反応機構をさらに明らかにするため, 反応液を経時的に励起波長と蛍光波長とを同時に測定できる3次元分光蛍光スペクトル法を用いて調査・検討した.クロロフィルa分解に伴ってクロロフィルa由来の分解反応物(クロロフィル類-蛍光物質;Ex/Em : 430/670 nm)が酵素反応的に生成された.しかしながら, クロロフィル類-開環-蛍光物質(Ex/Em : 320∿360/440∿460nm)の生成は認められなかった.またin vitroでのクロロフィルa分解反応はPCMBで阻害され, その阻害は還元型グルタチオンにより回復した.以上のことからクロロフィルa分解はエチレン処理したウンシュウミカン果実より調製した可溶性クロロフィラーゼにより引き起こされることが示唆された.さらに, 本研究の結果より, 果実の果皮でのエチレン誘導脱緑において, 本酵素の関与の可能性について考察した.

著者関連情報
© 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top