トマト小花柄における離層形成の初期段階を解剖学的に調べた.その結果は次のように要約される.1. 小花柄に離層を形成する品種'Tiny Tim Red'では, がく片形成期に頂端部から数えておよそ15から20層めの小花柄中心部柔組織に離層細胞が分化していた.その後, 横分裂, 放射分裂を繰り返し, 胚珠形成期には表皮に達して離層を形成した.開花期の離層の細胞層数は軸に対して水平または垂直方向に, それぞれ6∿8層または14層であった.2. 離層細胞の形状は, 胚珠形成期までは不定形のものが多く大きさも不揃いであったが, 開花時には軸に対して偏平な細胞が多くなった.3. 小花柄に離層の形成されない品種'ふりこま'では, 花芽の発育段階から開花期に至るまで, 小花柄の各組織に離層細胞が観察されなかった.