園芸学会雑誌
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フリージアの促成栽培における低温処理後の高温遭遇が花芽の形態的変化と開花時の障害発生に及ぼす影響
本図 竹司駒形 智幸市村 勉浅野 昭
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2000 年 69 巻 1 号 p. 109-114

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抄録

'ブルーヘブン'を供試し, 球茎に10℃で5または6週間の低温処理を行った直後に, 1∿3週間の高温(24℃)を与え, 花芽の形態的変化をSEMを利用して観察した.また, 開花時の花序を形態的な違いによって分類し, 高温の影響を考察した.高温を与えない場合は"正常花序"となり, 高温の影響が大きくなるにつれて, 水平線に対して第1小花と先端小花との基部を結ぶ線が交わってできる角(花序傾斜角)が大となる"グラジオラス咲き花序"そして"異常花序"となった.さらに高温の影響が大きい場合, 花芽はアボーションを起こし, その後再び葉や花序の分化を開始する"偽正常花序"となった.高温の影響のない"正常花序"と, 高温の影響が極めて大きい"偽正常花序"とは, 葉数と到花日数との違いで区別できた.また, 高温遭遇時の花芽の発達段階が進んでいるほど, 高温障害の発生の程度は小さかった.

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