園芸学会雑誌
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カボチャ果実生長過程における糖質の変化
寺澤 洋子伊藤 喜誠増田 亮一吉田 企世子
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2001 年 70 巻 5 号 p. 656-658

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抄録

糖類蓄積機構の解明の一助として, 食味・食感が異なるカボチャ品種'みやこ'および'はやと'を用い, 果実の成長過程における糖質の変化について比較した.成長過程における果実の全糖量の変化は, セイヨウカボチャとニホンカボチャにおいて著しく異なった.すなわち, 全糖はセイヨウカボチャの'みやこ'ではデンプン含量が減少する開花後30日以降に, ニホンカボチャの'はやと'では生長に伴い徐々に増加した.生長に伴うデンプン含量の上昇は, 'はやと'より'みやこ'で大きかった.果実中のデンプン含量と水分含量との間には高い負の相関があり, デンプンの蓄積に伴って果実の水分含量が低下した.果実への糖の蓄積は, 両果実において単糖およびスクロースの他に, ラフィノース族少糖類の形態で行われた.ラフィノース族少糖類の含有量は'はやと'果実において'みやこ'より高かった.

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