園芸学会雑誌
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シソの香気評価に関する研究 : シソ葉香気の機器分析データと官能評価データの統計的解析
森中 洋一福田 直也高柳 謙治
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71 巻 (2002) 3 号 p. 424-433

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抄録

GC分析により香気官能特性の予測を可能とする評価法の設定を目標に, 36サンプルのシソ香気について, 官能評価データとカラム濃縮法によるGC分析データを用いてGCパターン解析を試みた.ベクトルモデル外部分析により, 官能評価の第1, 第2主成分得点より作成したポジショニング・マップ上に各GCピークと官能評価用語を同時にベクトルとして布置させ, 官能評価用語と香気成分およびサンプルの3者の関係を図示することを試みた.ベクトルのマップに対する適合度は総じて, GC定量データに絶対値を用いた場合の方が相対値を用いるよりも良好であった.また, 定量値がいずれの場合でもペリラアルデヒドをはじめテルペノイドの適合度は高く, これらテルペノイドのシソ香気官能特性における重要性が示された.さらに相対値データにおけるベクトルの適合度の高さとその方向から, テルペノイドの絶対量の増減に伴った(Z)-3-ヘキセン-1-オールや(E)-2-ヘキセナールの相対量の変化も香気官能特性と関係深いことが示された.適合度が有意な(P<0.05)GCピークベクトルについては, 方向が近い官能評価用語ベクトルとその物質の有する香気特性との間に対応がみられた.これより, 各ピーク成分がサンプルの香気官能特性にどのような方向性で寄与するかを, 本法により推察可能であることが明らかになった.ガスクロマトグラム上の各ピーク定量値を独立変数に, 官能評価データより得た第1, 第2主成分得点それぞれを従属変数に用いて重回帰分析を行った.第1主成分得点についてはGC定量データに絶対値を用いた場合に, 第2主成分得点については相対値において最も高い解析精度を示した.また算出された重回帰式はいずれも, テストサンプルの推定結果も良好であった.以上より, シソサンプル香気のGC分析より得られたピーク定量値と重回帰式に基づき, それらサンプルの第1, 第2主成分得点, すなわち官能特性の推定が可能であることが明らかとなった.

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