園芸学会雑誌
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ハナモモの開花における低温遭遇量とHeat Requirementの関係
パワス アチャラー藤重 宣昭山根 健治八巻 良和本條 均
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2004 年 73 巻 6 号 p. 519-523

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抄録

宇都宮大学の圃場で栽培した11品種・系統(以下,品種)のハナモモの自然低温に遭遇した枝梢を2002年12月上旬から2003年2月下旬まで採取して,枝もの促成条件である20℃の暗黒下で開花を調べた.切り枝の開花に必要な低温遭遇量(CU)は'オキナワ'の732から'菊桃'の1433の範囲で品種間差が認められた.品種によって促成条件下と自然条件下のgrowing degree hours Celsius (GDH℃要求量)も異なった.'源平枝垂'を除く品種の低温遭遇量と促成条件下での開花までのGDH℃要求量には有意な負の相関関係が認められた.促成条件下のGDH℃は自発休眠打破後の付加的CUによって減少した.自発休眠覚醒に必要な低温遭適量と,20%または80%開花日との相関係数はそれぞれ0.87(P≦0.001)と0.81(P≦0.01)であった. 20%と80%開花までの自然条件下でのGDH℃要求量に品種間差が認められた.全品種における自然条件下でのGDH℃要求量と20%と80%開花日の相関係数はそれぞれ0.96(P≦O.001)と0.89(P≦0.01)であった.20℃でのGDH℃要求量と20%開花日には相関がなかった(r=0.31, non-significant at P=0.05).早咲き品種'オキナワ'.'矢口'および'中生白'ではCUとGDH℃要求量が低く,中生品種'白枝垂',箒桃','残雪枝垂'と'源平枝垂',遅咲き品種'菊桃'および'相模枝垂'ではCUとGDH℃要求量が高かった.しかし,中生品種'京更紗'と'寒白'のCUは低かったが,高いGDH℃要求量を必要とした.自発休眠打破のCU要求量,自発休眠完了後の350CUまでの低温への反応およびGDH℃要求量が開花の品種間差をもたらすと考えられる.

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