園芸学会雑誌
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ニホンナシ'雲井'のS遺伝子型の再検討
岡田 和馬高崎 剛志齋藤 寿広守谷 友紀/ 乗岡 茂巳中西 テツTetsu Nakanishi
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2004 年 73 巻 6 号 p. 524-528

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抄録

以前の交配試験で句心遺伝子型と決定されていたニホンナシ'雲井'の遺伝子型を, PCR-RFLP(S1~S9)分析および交配試験により再検討した.'雲井'は'清玉'(S3S4)と交雑和合性を示したので,S3S4ではないことが判明した.PCR-RFLP(S1~S9)分析により,'雲井'の遺伝子型はまだ報告されていないS1S3と推定された.'雲井'がS1およびS1S3対立遺伝子を持つことを示すためには更なる交配が必要であったが,'雲井'は十分な交配花数を供給できなかった.'世界一'はPCR-RFLP(S1~S9)分析によりS1S3と推定され,'雲井'と交雑不和合性を示した.そこで,'雲井'の代わりに'世界一'にS3ホモ個体の花粉と,S4だけではなくS1対立遺伝子も認識することができるSsm4ホモ個体の花粉を交配した.'世界一'はS3花粉Ssm4花粉の両方と交雑不和合性を示したことから,その遺伝子型はS1S3あるいはS3S4と予測された. PCR-RFLP(S1~S9)分析から'独逸'(S1S2)×'世界一'の雑種種子はS1S3とS2S3の2つの遺伝子型に分離することが示され,'世界一'におけるS1対立遺伝子の存在が確認された.以上の結果から'世界一'がS1とS3対立遺伝子を持つことが明らかになり,'世界一'と交雑不和合性を示す'雲井'のS遺伝子型は句心に修正すべきであると考えられた.

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