2004 年 17 巻 3 号 p. 233-240
本研究では,北海道道東に位置する別寒辺牛湿原流域を対象にして,土地利用別メッシュタンクモデルを用いて湿原の降雨流出特性を把握することを目的とした.土地利用別のタンクの構造を決定するために,流域内の優占土地利用が異なる8ポイントで流量観測をおこなった.実測値との比較により構築されたモデルでは,従来から把握されていた牧草地や森林の流出特性に加えて,湿原の降雨流出特性も把握することができた.湿原を含む流域では,湿原メッシュのタンク構造を水深により変動させた.また,河川の周辺が湿原である場合は,河川からのオーバーフロー現象を取り入れた.