2005 年 18 巻 4 号 p. 362-369
本研究は,横田切れ (明治29年 (1896) 7月洪水) 以降の明治30年 (1897) から昭和30年 (1955) までの59年間の年最大二日雨量について,近年の代表的な台風性と前線性の複数洪水の中から,降雨特性が類似した近年洪水を選定し雨量の時間分布を仮定して,流出計算により年最大流量を推定するとともに,推定した流量群に,先に推定した横田切れ洪水最大流量,昭和31年 (1956) から現在までの年最大流量をくわえ,連続した105個の標本をもとに水文統計処理し,横田切れ洪水の流量確率を求め,横田切れの洪水の位置づけを明らかにするものである.