水文・水資源学会誌
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原著論文
地域気候モデル研究の特性と課題について
高藪 出
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2005 年 18 巻 5 号 p. 547-556

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抄録

地域気候モデルという高解像度領域モデルを用いた気候の再現・予測実験の研究は,近年モンスーン研究や温暖化予測研究とリンクする形でも増えてきている.通常得られる全球モデルの結果とくらべ高解像度のこの種のモデルを用いた予測結果は地域の詳細な気候の再現の可能性を示していることから,力学的ダウンスケーリングの手法として水循環を扱う研究者の注目も集めはじめている.今回,ここ数年間の世界の研究の動向をまとめ地域気候モデルの特性について探ってみた.地域気候モデルはその特性として, (1)地形の精度が上がることで地形性降水の再現性が向上する.しかしながら,(2)地域気候モデルはそれを埋め込んだ全球モデルの精度に強く依存してしまうことが研究の当初から言われ続けている.また,(3)地域気候モデルの解像度に見合った高解像度かつ高精度の観測データの整備が急務であると言われている.更に,(4)モデルに組み込まれている物理過程については改善が進められているがまだ途上であることが伺える.

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© 2005 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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