18 巻 (2005) 6 号 p. 674-680
琵琶湖周辺の内湖では水質浄化能を利用して,農地など面源からの汚濁負荷を削減することが期待されている.しかしながら,長年に亘って維持管理が行われていない内湖では,浄化能の低下が観測されている.その原因としては植物プランクトンの内部生産や底泥からの栄養塩の溶出が考えられる.そこで,内湖でのChl.aの濃度変動を測定し,それがSS,COD,窒素,リンなどの水質に及ぼす影響について検討した.
Chl.a濃度の上昇は,SSとCODの汚濁を進行させるが,窒素とリンについては浄化を促す傾向が見られた.底泥からの溶出実験を行った結果,底泥からの窒素・リン溶出量は内湖への流入負荷量の3%程度に留まった.このことから,Chl.a濃度の増加には底泥からの溶出よりも流入負荷の影響の方が大きいことが確認された.