水文・水資源学会誌
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原著論文
黄河流域河套灌区の灌漑小麦畑における蒸発散量の測定とモデル化
賀 斌大上 博基王 弋高瀬 恵次
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2007 年 20 巻 1 号 p. 8-16

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抄録

黄河中流域にある乾燥地の河套灌区の水収支を明らかにするため,主要作物の一つである小麦畑の蒸発散量をボーエン比熱収支法で算定した.その結果,観測期間(2005年5月5日~7月27日)における蒸発散量は456mmであった.同期間の降水量が24mm,灌漑取水量は289mmであったことから,灌漑用水路から小麦畑へ取水された水だけでなく,用水路から地下へ浸透した水も小麦畑からの蒸発散に消費されたと考えられた.次に,異なる日射・飽差条件下での蒸発散量を推定する目的で,バルク法とPM法のパラメタである群落抵抗をモデル化した.その結果,バルク法とPM法によって計算された蒸発散量は実蒸発散量と高い相関が得られたが,バルク法の方が実蒸発散量とよく一致した.

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© 2007 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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