これまで河川流域単位で定量的に議論されてこなかった社会,経済指標に焦点を当てて,全国109の一級水系で定量比較を行った.その結果,流域によって各指標の値に特徴が見られた.また,各指標と河川特性の関係を見るため,河川BOD値を例に取り上げて相関を求めた結果,人口密度,刑法犯認知件数,失業率,高齢化率等と相関が認められた.さらに,これらの指標を変数として主成分分析を行ったところ,第1主成分と第2主成分で50%以上の寄与率が得られて,各主成分はそれぞれ流域の「都市化」,「健全性」の総合指標となり,河川計画や管理への活用の可能性があることを示した.