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水文・水資源学会誌
Vol. 21 (2008) No. 4 P 273-284

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http://doi.org/10.3178/jjshwr.21.273

原著論文

ヒノキにおける樹冠通過雨の空間分布特性を明らかにするため,大型降雨実験施設において室内実験を行った.施設内に樹高11 mのヒノキを植栽し,グリッド状に配置した120個の測定容器により10分間の雨量を測定した.降雨強度(雨滴の運動エネルギー)・枝下高をそれぞれ変化させ,測器間隔の差異・樹木の無い状態での人工降雨を含めて11パターンの測定を行った.樹冠通過雨量は,与えた降雨よりも測点ごとのばらつきが大きく,その範囲は与えた降雨の40-484 %であった.ばらつきの範囲は,降雨強度の大きさによって異なった.樹幹から遠ざかるほど雨量が増加し樹冠縁に沿って雨量が多くなる傾向が見られ,特に雨滴エネルギーが小さい降雨の場合に明瞭であった.雨量の多い集中滴下点は樹幹近くに多く存在することが確認された.また,枝の切り落としの前後で雨量が大きく変化した地点が,いずれも切り落とした枝の近辺に存在した.以上より,樹冠通過雨の空間分布特性について,幹からの距離及び最下層に位置する枝の配置により整理されうることが示された.

Copyright © 2008 Japan Society of Hydrology and Water Resources

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