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水文・水資源学会誌
Vol. 21 (2008) No. 6 P 439-448

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http://doi.org/10.3178/jjshwr.21.439

原著論文

本研究では,ヒノキ樹冠下で発生する大きな雨滴径と雨滴衝撃力をもった人工降雨を発生させるために,既存の振動ノズル式降雨実験装置をもとに,急峻な山地斜面でも使用できる新しい降雨実験装置を開発した.実験施設内で行った性能評価実験から,新しい降雨実験装置は,大きな雨滴径の人工降雨を面積が1 m2の散水区画内に均一に発生させられることがわかった.また,新しい降雨実験装置で発生させた人工降雨の雨滴衝撃力は,ヒノキ樹冠下で発生する林内雨の雨滴衝撃力とほぼ等しいことがわかった.そこで,日本各地のヒノキ人工林において,新しい降雨実験装置を用いて浸透能を測定した.その結果,野外浸透能試験で測定された基準最終浸透能(FIR180)の範囲は39.0~172.8 mm h-1で,大きな雨滴衝撃を発生させない従来の浸透計で報告されている浸透能(> 200 mm h-1)よりも低い値だった.また,下層植生乾重量およびリター乾重量と最大最終浸透能(FIRmax)のあいだに高い相関が見られた.このことから,新しい降雨実験装置を用いて大きな雨滴衝撃力を発生させることにより,荒廃ヒノキ人工林における浸透能とその低下プロセスを正確に評価できる可能性が示された.

Copyright © 2008 Japan Society of Hydrology and Water Resources

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