水文・水資源学会誌
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原著論文
利根川上流域の支川合流に伴う河道貯留効果と計画高水流量の考察
土屋 十圀
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2011 年 24 巻 6 号 p. 337-347

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抄録

 近年,ダムによらない治水対策が課題となり,河川計画の検証が期待されている.1980年に利根川の治水計画は当時の技術水準のもとに集中型モデルとして貯留関数法が使われた.1947年9月に来襲したカスリーン台風の当時は基準点より上流にはダムは存在していない.著者は既往研究において戦後のダム設置のもとにどのように治水安全度が年々向上してきたのか,同モデルを使い検証してきた.利根川は工事実施基本計画から45年が過ぎ,降雨および洪水データの蓄積や流出モデルの開発が進み,実際の洪水流出現象からより正確な検証が求められるようになった.本研究では,利根川上流域の支川合流に伴う河道貯留効果による低減効果について着目し,貯留関数法,Kinematic wave法により洪水流出解析を行い,同時に計画高水流量の考察を行った.

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© 2011 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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