近年,多くの自治体で洪水ハザードマップが作成されている.ハザードマップの原図となる浸水想定区域図の作成に使用する地盤高データは50 mメッシュを基本としているが,日本の多くの都市が立地する低平地の地形を表現するには不十分と考えられる.そこで,秋田市茨島地区を対象に,洪水ハザードマップに使用されている浸水想定区域図の地盤高データの精度を検証し,地形情報の精度が浸水想定区域に及ぼす影響を明らかにした.結果,浸水想定区域図の地盤高データには実際の地形との誤差があり,洪水ハザードマップの浸水想定区域に誤差が生じていた.これにより,ハザードマップを使用する側が水害に対するリスク評価を誤って受け取る可能性が指摘された.