水文・水資源学会誌
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Print ISSN : 0915-1389
原著論文
積雪深の再現を目的としたモデルの構築と検証
高瀬 恵次小倉 晃藤原 洋一丸山 利輔
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29 巻 (2016) 2 号 p. 107-115

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抄録

 本研究では積雪深の再現を主目的として,石川県林業試験場内の気象露場で観測された積雪深をはじめ,降水量,気温などの気象データに基づいて降雪・積雪・融雪モデルを構築し,その構造およびモデルパラメータについて検討を行った.本モデルは,降雨・降雪の判定,新雪および積雪層の密度計算,日気温法(Degree-day法)に準じた融雪計算から構成されている.降雨・降雪の判定には気温に加えて湿度を採用した.密度計算では新雪と積雪層それぞれのサブモデルを採用し,とくに積雪層の密度は気温と積載荷重により増加するものとした.融雪量は気温,純放射,地中熱伝達量の関数とした.その結果,モデルによる積雪深および積雪層密度の計算値は観測値と非常によく一致し,本モデルの有効性を検証することができた.また,モデルに含まれるパラメータの重要性について検討し,いくつかのパラメータについては省略したり既存の値を採用しても再現精度は低下しないが,融雪計算に気温のみを用いた場合には融雪期の積雪深変化や消雪日にかなり大きな違いが生ずることを明らかにした.

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© 2016 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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