2007年から2016年までの2月と8月に都城盆地の浅井戸で観測された硝酸性窒素濃度と降水量の関係を調べる.硝酸性窒素濃度と降水量の関係を調べる上で,相関分析を用いる.また, 1999年に家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律,2004年に都城盆地硝酸性窒素削減対策基本計画が策定され,都城盆地の地下水中の硝酸性窒素濃度も年々減少傾向であるため,相関分析では観測時点間の硝酸性窒素濃度の変化量および降水量の変化量を用いた.分析の結果,硝酸性窒素濃度の変化量と降水量の変化量には正の相関があることがわかった.すなわち,都城盆地において,降水量が大きくなると地下水中の硝酸性窒素濃度が高くなる傾向があるということがわかった.また,1ヶ月前までの累積降水量が大きいほど,地下水中の硝酸性窒素濃度が高くなる傾向があるということもわかった.