水文・水資源学会誌
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論説・評論
気候変動の予測情報を利用者まで届けるには
高薮 出花崎 直太塩竈 秀夫石川 洋一江守 正多嶋田 知英杉崎 宏哉高橋 潔仲江川 敏之中北 英一西森 基貴橋爪 真弘初鹿 宏壮松井 哲哉山野 博哉横木 裕宗渡部 雅浩
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キーワード: 気候変動, 予測, 協働
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 34 巻 6 号 p. 377-385

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抄録

 過去20余年にわたり,気候変動とその社会への影響に関する膨大な予測情報や知見が創出されてきた.しかし,これらの予測情報や知見が国・地方公共団体や事業者などに広く利活用されるようになるまでにはまだ様々な課題が残っている.そこで,気候予測と影響評価に関する研究に長く携わってきた著者らが現在見られる各種の障害や,解決の糸口について議論した.その結果,気候予測・影響評価・利用者のコミュニティーにはそれぞれ業務の前提と他コミュニティーへの期待があり,それらの間にずれが生じていることが浮かび上がった.解決のためには,気候予測・影響評価・利用者のコミュニティー間の協働が重要である.具体的には,予測情報や知見が創出される前の段階での相互の情報交換やすり合わせによるギャップの解消や,その実現のための制度や設備の整備が必要であることが示された.

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© 2021 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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