水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
ISSN-L : 0915-1389
原著論文
地下水のピエゾ流動が流域水循環に及ぼす影響
小椋 崇弘, 陸 旻皎
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 38 巻 4 号 p. 266-278

詳細
抄録

 本研究では,植物の根の分布を考慮した蒸散モデルに加え,基底流出モデルと地下水ピエゾ流動モデルを新たに開発し,地下水のピエゾ流動が流域水循環に及ぼす影響について調べた.いずれのモデルも蒸散モデルと同様に土壌水分欠損量(SMD)の概念に基づいており,前者は基底流出の発生を表現することができ,後者は流域内部の地下水ピエゾ流動を考慮して流域各部のSMDの増減を表現することができる.実験流域である森林総合研究所竜ノ口山森林理水試験地北谷を上流域と下流域とに二等分してモデルを適用した結果,無降雨期に基底流量が維持される過程を表現することができた.さらに,変動流出寄与域の形成は,地下水ピエゾ流動による上下流間のSMDの差が形成されるプロセスとして説明できる可能性が示された.

著者関連情報
© Japan Society of Hydrology and Water Resources
前の記事 次の記事
feedback
Top