水文・水資源学会誌
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森林の3次元構造を用いた林内下向き放射量と林内融雪量の空間代表性
(1) 推定方法
橋本 哲太田 岳史中村 勉
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1997 年 10 巻 6 号 p. 524-536

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抄録

全天空写真から推定した約1haの森林の葉群密度の3次元分布を用いて,林内任意の位置での全天日射量,下向き長波放射量および融雪量を1時間単位で推定する方法を示し,その妥当性を検討した.全天日射量の推定値の再現性は,落葉状態では良好であった.着葉状態では林冠の隙間から入射する直達日射による大きなピークが再現できない傾向が現われた.下向き長波放射量の推定値の再現性は良好であった.融雪量の経時変化は良好に再現された.日融雪量の再現性も良好であった.また,この推定手法による林内における全天日射量,下向き長波放射量および融雪量の空間変動量は,全天日射量と融雪量については日値で,下向き長波放射量については時間値で再現できることが結論づけられた.

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