水文・水資源学会誌
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日本の山岳地域における積雪水当量の高度分布に関する研究について
松山 洋
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1998 年 11 巻 2 号 p. 164-174

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抄録

日本国内の山岳地域でこれまでになされた,高度による積雪水当量の増加率(係数a)に関する研究成果をとりまとめた.ここでは,文献に係数aの値が明記してあるもの,もしくは文献に表の形で高度と積雪水当量の関係が示されており,これから回帰直線と係数aの値が客観的に求められるものを取り上げた.取り上げた山岳・流域は全部で36におよび,それらは北海道から琵琶湖周辺まで,中部山岳地域を除いてほぼまんべんなく分布している.積雪調査数の経年変化には,1950年代と1970年代後半~1980年代中頃にピークが見られる.前者は水資源としての積雪が重要であった時代,後者は研究機関による調査が進んだ時代である.また,これまでの積雪調査は3月に行なわれた例が圧倒的に多く,1シーズンを通して積雪調査が行なわれることが望まれる.

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