北海道の畑作・畜産を主とした複合型土地利用形態の2流域において平水時の河川水質特性を把握し,流域の土地利用と水質環境との関係について考察した. 調査対象2流域では畜産が行われているが,両流域とも発生した家畜糞尿が堆肥化され農地に還元された場合,流域内で必要とする施用量を超過しており,水環境への影響が懸念された.また,畜産農家の位置や河畔の土地利用が,発生した家畜糞尿の流出率に大きく影響することが示唆された. 水田を含む流域では灌漑の影響が河川水質に顕著にあらわれていた.灌漑排水によって流域の自流河川水質は希釈され,灌漑期のN,P濃度は低下していた.しかし,灌漑用水水質が良好であるため,T-Nについて水田営農は流域水環境に対し排出型であった.