農業流域河川における融雪期の窒素流出挙動を,融雪初期,融雪盛期,融雪後期に区分して検討した. 融雪初期には,溶存態成分が高濃度で流出するが,懸濁態成分の流出は少ない. 融雪盛期では,地下溶脱成分濃度は昼間に減少するものの,その負荷はほとんど日変動せず,浸透流量の増減に対応して長期的に変動する.溶存態の表面流出成分は濃度,負荷共に昼間に増加する.長期的には濃度は減少傾向を示し,負荷はほぼ一定で推移する.一方,懸濁態成分は流量,SSの増加に伴い高濃度で流出する. 融雪後期における各水質の短期的流出状況は,融雪盛期と類似している.長期的変動をみると,地下溶脱成分は,同程度の水文状況で盛期より後期の方が低濃度であることから,流域内の蓄積量が減少していると考えられる.溶存態の表面流出成分と懸濁態成分は濃度,負荷共に低下する.