水文・水資源学会誌
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インターネットを活用したリアルタイム豪雨表示システムの開発
牛山 素行
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2002 年 15 巻 4 号 p. 381-390

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抄録

豪雨時には,住民一人一人がその雨はどの程度激しいのかを理解することが,早期避難などの防災上重要であり,利用しやすい情報の整備が必要である.本研究では,この理解を支援することを目的とし,携帯電話からも参照できる日本全国のリアルタイム豪雨表示システムを開発・公開した(http://www.disaster-i.net/rain/).このシステムでは,全観測所の1時間降水量,24時間積算降水量などが表示され,最新の観測値だけでなく,過去最大値との差も見ることができることが特徴である.災害時などの通信混雑時にも容易にアクセスできるよう,ほぼすべての情報は文字で表示し,グラフも文字(記号)によって作成した.システム公開後の6ヶ月のアクセス状況を集計したところ,トップページのアクセス回数は1日平均306回,最大日で3078回,最多アクセス日の全ページへのアクセス回数総計は21500回であった.これは同じ日の国土交通省「川の防災情報」(www.river.go.jp)のアクセス回数の2%に相当する.また,本システムはいくつかのホームページ評価サイトや新聞に取り上げられており,このシステムはすでに社会的に評価され,実用的なものになっていると言っていい.

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