1989 年 2 巻 1 号 p. 41-51
百万都市福岡は, 1978年, 長期間にわたり平常の給水より厳しい制限を受けた。この厳しい経験が, 度々給水制限を受ける都市における水の安定供給に適応できる新しいシステムの研究となった.
福岡市の場合, 自己流域では水資源開発がむつかしく新しい水源が, 未だ水利権を持たない隣接の流域に求められた。このためには, 特別調整池の設置と豊水水利権の設定が必要である。これらの条件を2つの流れ図の形で示した。特別調整池を設けた場合と設けない場合である。これを1978年の福岡渇水に適用し, その効用が認められた.
そこで, 特別調整池の効果を一般的に求めるためモデル都市, モデルの水供給システム, モデルの流量時系列を設定し, 28年間について計算した。