1992 年 5 巻 4 号 p. 19-26
表層融雪熱量に対し, 純放射量のしめる割合は大きい.そこで, 面的な融雪量解析の第1段階として, 積雪・融雪期を通した森林内外での純放射量の推定を1時間単位で行った.本計算では雪面アルビードも推定される.推定に用いる気象要素は全天日射量, 気温, 湿度, 降水量および日照時間である.実測値と計算値とはほぼ1 : 1の線上に分布し, 計算値は実測値の経時変化もほぼ再現した.計算純放射量, 実測純放射量を用いて森林内外の表層融雪量を熱収支法により推定した.計算純放射量を用いたことによる推定誤差の低下は小さく, 融雪量の推定に対し本手法による純放射量推定は有効性があった.