1994 年 7 巻 3 号 p. 188-195
渇水時の貯水池操作は、過去の類似流況を参考に渇水強度の推定と節水率(放流量)の決定を行っている。本研究では、そうした意志決定に際して、精度は低いが貴重な情報である長期気象(降水)予報と現行の類似流況とを結合させた合理的な支援システムを提案するものである。長期予報と統計値を用いた1ヶ月先までの流量と代表流況に対する類似度を組み合わせて、流況予測を行う。また、分類された流況と貯水量の組み合わせに対して、適切な貯水池操作を知識として求めておき、ファジィ推論によって節水率(放流量)を決める。最後に、毎時間の制御での達成度に応じて操作レベルの変更を加え、より理解し易い支援システムとするものである。