水文・水資源学会誌
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水田における蒸発効率の実験的算定
大上 博基
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1996 年 9 巻 3 号 p. 252-258

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抄録
水田におけるバルク輸送係数と蒸発効率を実験的に算定した.また,イネの模擬葉を利用して葉面交換係数の推定を試みた.結果は以下のように要約される.(1)水田全体のバルク輸送係数に経時変動が生じたが,期間平均の算定値は多層モデル(Kondo & Watanabe)による値に近かった.(2)これを用いて算定した水田全体の蒸発効率は,概して午前中に大きく午後に減少する傾向があり,曇天時や高湿度時には大きく,風速との逆相関が認められた.イネ群落の蒸発効率は水田全体のものより小さく,経時変化の傾向は類似していた.(3)実葉のアルベドや葉温が湿潤模擬葉のものに近かったため,湿潤模擬葉温を用いることによって潜熱と顕熱の葉面交換係数の比が良い精度で算定できたと考えられる.(4)単層モデルと2層モデルによって水田全体の潜熱フラックスの日値を算定した結果,蒸発効率の日変動が大きかったため両方法による優劣は認められなかった.どちらのモデルを適用するにしても,蒸発効率の変動パターンをさらに検討することが今後の早急な課題といえる.
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