農業水利施設を設計する場合,地盤特性等の条件を設定し,変位,応力等を算定するが,それらの算定値と現場が合致しないことが少なくない。このような場合,施工段階における計測データを活用することにより,設計施工の合理化を図ることができる。このような観点から,外山ダムにおいては,情報の迅速化・システム化を図るために情報化施工の導入を試みた。ダム左岸部は,約60mの法面であり地表変位をGPSで24時間連続して挙動監視している。また,ダムコンクリートの温度ひび割れを抑制するため温度規制計画を策定し,コンクリートの温度,ひずみ等の計測データをリアルタイムで管理する方法とした。これらの内容について報告する。