2010 年 78 巻 2 号 p. 125-128,a1
黒潮フルーツライン区域には絶滅危惧種のナガレホトケドジョウが生息し,保全が課題である。そこで水路施工に際し遡上可能な魚道構造把握のため,A予備実験で遡上可能高さ,B遊泳実験で遊泳能力,C遡上実験で魚道内緩急箇所の必要性,D構造実験で遡上率の最も良い隔壁形状を求め,これら条件を満たす魚道施工後,モニタリング調査で遡上を確認し,施設構造の有効性を実証した。モニタリング調査結果や環境情報協議会委員の意見を踏まえ,順応的な管理ができるように,完了後モニタリングマニュアル(仮称)を事業所で作成し,完了後の維持管理予定である地元の特認団体に引き継ぐ予定である。これらの事を報告する。